
このブログでは、不動産会社の“リアルな一日”を、一般視点から少しゆるめにお届けします。「これから不動産業界で働いてみたい」「管理会社って何してるの?」
そんな方に、少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
古い建物を見ると、なんだか不思議な安心感を覚えることがあります。
壁のひび、すり減った階段、少し開けにくいドア…。
それらは全部、「ここに人の暮らしがあった」という証のように感じます。
私はそんな“時間の積み重ね”が残る建物が、けっこう好きなんです。
ただ、管理という立場で見ると、古い建物ほど悩ましい部分も多い。
「直すべきか」「活かすべきか」の判断が、いつも難しいんです。
新築のようなピカピカさはもう戻らないけれど、 手をかけ方次第で、今よりずっと“良い顔”にできる建物もあります。
たとえば、共用部の照明をLEDに替えるだけでも、 建物の雰囲気が明るくなって安心感が増します。
外壁の塗装も、原色ではなく落ち着いた色を選ぶことで、 古さをうまく“味わい”に変えられることもある。
「古い=価値がない」ではなく、 「古い=育ってきた証」として見てあげたい。
あるとき、築35年の物件で水道管の更新工事を行いました。
入居者さんには少し不便をおかけしましたが、 「古い建物でも、こうやってちゃんと見てくれてるんだね」と 声をかけてもらったことがありました。
あの一言で、少し疲れていた心が救われました。
古い建物には、長く使われてきたからこその魅力と、 人の手で守られてきた“温もり”があります。
その魅力を消さずに次の世代へつなぐことが、 私たち管理会社の大切な役目だと感じています。
古い建物には「時間の重み」と「人の想い」が詰まっています。
完璧に直すことよりも、“大切に使い続ける工夫”を重ねていくことが、 一番のメンテナンスかもしれません。
あなたがもし古い物件を所有しているなら、 「まだ使える」ではなく「まだ一緒に頑張れる」と思ってあげてください。
その視点が、建物の未来を変えていきます。
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