
このブログでは、不動産会社の“リアルな一日”を、一般視点から少しゆるめにお届けします。「これから不動産業界で働いてみたい」「管理会社って何してるの?」
そんな方に、少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
古い物件のリフォームは、単に「壊れた部分を直す」だけでは終わりません。
むしろ大事なのは、「これからどう使ってもらうか」を考えること。
私はいつも、工事前にその物件のこれまでとこれからを想像するようにしています。
たとえば、築30年のアパート。
昔ながらの間取りで、収納も少なく、キッチンも狭い。
でも、立地はよく、日当たりも悪くない。
こういう物件を前にすると、「全部変えよう」と思うよりも、“良いところを活かして、足りないところを補う発想が大切です。
私が意識しているのは、「入居者目線での快適さ」と「オーナー目線での費用対効果」のバランス」です。
どんなに立派なリフォームをしても、家賃が上げられなければ意味がない。
逆に、最低限の修繕だけでは入居者満足は上がらない。
その間の“ちょうどいいライン”を探るのが、管理の腕の見せどころです。
たとえば、壁紙を全面張り替える代わりに、一面だけアクセントクロスに変える。
古い照明をLEDにするだけで印象はぐっと変わります。
水回りの設備は壊れた部分だけでなく、将来的にトラブルが起きそうな箇所も先回りして交換。
見た目のきれいさより、「次に長く使える状態」に仕上げることを優先します。
印象に残っているのは、ある築40年のマンションのリフォーム。
最初に見たときは、正直「これは大変だ」と思いました。
でも、オーナー様と一緒に「どんな人に住んでもらいたいか」を考え、 落ち着いた色味と温かい照明を取り入れた結果、 若いご夫婦の入居がすぐに決まったんです。
完成後の部屋を見たオーナー様が 「昔からこの建物を大事にしてきて良かった」と言ってくださって、 その瞬間、心から報われた気がしました。
リフォームは、建物を若返らせる作業ではなく、もう一度、息を吹き込む仕事だと思います。
古い建物に新しい価値を与えるために、 これからも現場の一つひとつに丁寧に向き合っていきたいです。
古い物件のリフォームは、「古さを消す」ことではなく「魅力を引き出す」こと。
オーナー様も管理会社も、同じ方向を見ながら工夫を重ねていけば、 建物は何度でも新しい顔を見せてくれます。
あなたの物件も、きっとまだまだ伸びしろがありますよ。
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