
このブログでは、不動産会社の“リアルな一日”を、一般視点から少しゆるめにお届けします。「これから不動産業界で働いてみたい」「管理会社って何してるの?」
そんな方に、少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
定期巡回の日。
朝の空気が少し冷たくなってきたころ、 私はいつものようにバインダーを片手に、担当物件をまわります。
築2年のアパートはまだ新しく、外壁は白く輝いていて、 廊下を歩くと、まだ新築特有の少し甘い匂いが残っています。
一方で、築20年を超えたアパートは、ドアノブの感触一つにも“年季”を感じます。
でも、それが不思議と“味”になっているんです。
建物は生きています。
日差しや雨風に晒されながら、少しずつ表情を変えていく。
たとえば外壁のひび割れは、 「そろそろメンテナンスが必要だよ」という“建物の声”のようなもの。
階段の手すりの塗装が剥げてきたら、 「人の手がよく触れている場所なんだな」と思います。
外壁塗装のサインは築15年ぐらいから一気に出始める気がします。
注意して外観を見てみるときっとオーナー様も気づくでしょう。
点検をしていると、まるで人の健康診断をしているような気分になります。
どこか痛いところはないかな?と、 一つひとつの部位を丁寧に見ていく。
築年数が経つほど、建物にも性格が出てきて、 それぞれに合ったケアが必要になるんです。
以前、オーナー様にこんなことを言われました。
「古い建物だけど、あなたが見てくれてるから安心できるよ」
その言葉が本当にうれしかった。
建物の老いを受け止めながら、 それでも長く愛されるように支えていくのが、 管理の仕事の一番のやりがいだと思います。
建物にも、年齢とともに深まる“味”があります。
それを感じ取れるようになると、ただの点検が“対話”に変わるんです。
「今日も元気かな?」と声をかけるような気持ちで、 建物と向き合っていきたいですね。
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